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ダリの
小さな冒険
1月
しつけ実践編1
トイレ/ハウス/アイコンタクト
2月
しつけ実践編2
オスワリ/抱っこ
3月
しつけ実践編3
ダリのクリスマス
4月
初めての沖縄探検・その1
5月
初めての沖縄探検・その2
6月
初めての沖縄探検・その3
7月
初めての沖縄探検・その4
8月
ダリの運動会・その1
9月
ダリの運動会・その2
10月
ダリの運動会・その3
11月
ダリ2歳のプロフィール
12月
ダリ3回目の秋に

ダリの運動会・その2

〜2003年9月〜
「退屈で死にそう」なダリに
新たなイベントを提供すべく連れ出したのは、
ジャック・ラッセル・テリアばかりの競技会。
いわばジャックの運動会である。
恐れを知らぬテリア精神で、
人気種目のレースにエントリーしたのだが、
果たして、ダリの活躍やいかに…!?
ダリの競技会デビュー

 ダリの競技会デビューはいきなりやってきた。大会の最初の競技が、エントリーしていたラッセル・レースだったのだ。私たちが会場に着いたときには、早くもグラウンド中央に設置されたコースで、練習が始まっていたのである。
 ラッセル・レースとは、いわばジャック・ラッセルの徒競走。両側をネットで囲った全長60mの直線コースを、「おとり」を追って全速力で走る競技だ。おとりは、テリア心をそそるフェイクファー製。たこ糸で引っ張って、絶妙なスピードで逃げて行くようになっている。スタートゲートは、4つに仕切られた箱の中に各走者が入り、合図と共にスターターが扉を開ける仕組みだ。スタート直前には、金網の扉越しに各走者の鼻先でおとりを見せて、犬たちのヤル気を盛りあげたりもする。また、そうしてヤル気になったジャック同士が競争ではなく格闘を始めないように、参加犬にはマズル(口輪)の着用が義務づけられているのだ。
 私もダリ用のマズルを受付のテントで購入。もちろん、初めてのマズルがダリの気に入るわけがないのはわかっているが、ここはなんとしても付けてもらわねば。私の意気込みが通じたのか、ジェントルリーダー(顔に付けるしつけ用ストラップ)の経験が生きたのか、有無をいわさぬ素早さで装着するとあっさり成功。さっそく練習待ちの列に加わった。

いざ、スタートゲートへ

 ドキドキしながら前に並んだ犬たちを見ていると、スタートゲートに押し込まれるのを拒否して身をよじり、逃走する子が続出。ダリには考える時間を与えないように、またも有無をいわさずゲートの中へ。すかさず後ろのフタを閉め、まずここまではうまくいった。
 全員がゲートに収まったところで、扉越しにおとりをチラチラ。3、2、1、ゴー!で走者いっせいに飛び出す…はずだった、本当は。ところが、ダリだけは飛び出さなかったのだ。ぜんぜん!
 他の3頭がおとりを追って走り去ってからゆうに数秒。のそっとゲートから出てきたダリは、とっくに誰もいなくなったスタート地点で、手持ち無沙汰にウロつき始めた。おとりもライバルも我関せず。うつむきがちでいつもの元気はどこへやら、ゲート前でもぞもぞ円を描くばかりなのである。どうやらマズルが気になって仕方ないのだ。そういえば、ジェントルリーダーを着けたときも妙にしおらしくなって、どことなくつまらなそうな様子になる。ダリはマズルを着けられて、すっかり気分を害してしまったのだ。
 そうは言っても、こればっかりは慣れてもらうしかないんだよ、ダリよ。と、気を取り直して練習2回目に挑戦。今度もゲートにはうまく入れたのだが…またもやスタート失敗というか、レース自体を無視。しかも今度は、おとりを見せられた時、ダリだけおしりを向けていたのだ。ここは何をする場面なのか、まるで理解していないし、気にもしていないらしい。係のお兄さんがコースから取り出したダリ(マズルのせいでパワーダウンしているので簡単に捕まる)を受け取ったとき、私はほとんどあきらめの境地だった。
 「こりゃあ本番は絶望的だな。まぁ、マズルもレースも初めてだし、参加することに意義があるんだし(スタートもしないんだから、参加してるとも言えないが)、しょうがないよね」。そう自分に言い聞かせ、練習を終了。憎たらしいことに、ダリはマズルを外したとたんにいつものご機嫌モードに戻り、人といわず犬といわずみんなにご挨拶しようとビンビン、リードをひっぱり始めたのだった。

ついに運命の本番レース!

 開会式の後、すぐにラッセル・レースの本番が始まった。レースは、犬の年齢、体のサイズ、オスメスで各クラスに分けられていて、ダリは、後半に出走する成犬アンダー(体高12・5インチ以下)のオスの部。まず各クラスの予選が着々と進められ、次々と準決勝出場犬が決まっていく。文字どおり目にも止まらぬ速さ
で、白い風となって疾走するジャックたちの姿には、飼い主でなくてもエキサイトする。ましてや自分の愛犬が先頭争いをしていたりすれば、どんなにワクワクするだろう。そんな私の思いをよそに、競技者たる自覚のまったくないダリは、それでも目の前を疾走する走者たちに、ワワワワワン!と声援を送ったりもする。ちょっとはレースの意味がわかっているのだろうか…。
 そうこうするうちに、いよいよダリのクラスである。ダリの出走は第3レース。急いでマズルを着け、スタートゲートで待機する。前の組がゴールするとすぐにゲートイン。今度もゲートインだけはスムースにできた。みらいちゃんのママ(飼い主さん)から「ゴール付近で呼ぶといいわよ」と教えてもらい、あわててゴール近くへ。息を詰めてスタートを待つ。
 3、2、1、ゴー! ゲートが開き、走者いっせいに…とはいかなかった、本番も。われらが大穴、ダリ号は、またも悠々と3テンポほど遅れてゲートからお出ましになり、ひとり、スタート地点をのどかに散策なさっている。「やっぱダメか〜」と、私はヘコみかけながらも、必死に呼んでみた。「ダリーッ、こっちこっち! おいでぇぇぇーっ」。呼ぶというより、もう絶叫である。
 すると…おぉ、なんと! われらがダリは走り始めたではないか! おとりとライバルたちはとっくの昔にゴールインして誰もいなくなったコースを、低速ながらもピョンコピョンコと走って来るのだ。と、いきなり(マズルを付けられて不機嫌だったことを思い出したか)、2/3あたりの地点でピタリと止まり、そこでレース終了となってしまった。
 が、しかし、ともかくダリは走ったのである。練習では0mだったのが、本番では40m。「こりゃぁすごい進歩だぞ!」と私は無性に嬉しくなってきた。これなら次回は完走も夢じゃない。そしていつかは決勝に…!と夢は広がる。しかし、これも根拠なき妄想というわけでもないのだ。じつはこのレースで、ダリの母みらいちゃんも、父パイントくんも、みごと準優勝に輝いていたのである。不肖の息子にだって、両親の鉄犬DNAが受け継がれているはずなのだ。
 残るエントリー種目は穴もぐり競争。これまたぶっつけ本番だけど、何の拍子にそのDNAが目覚めないとも限らない。私の親バカドリームは、まだまだしぼまないのだった。