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ダリの
小さな冒険
1月
しつけ実践編1
トイレ/ハウス/アイコンタクト
2月
しつけ実践編2
オスワリ/抱っこ
3月
しつけ実践編3
ダリのクリスマス
4月
初めての沖縄探検・その1
5月
初めての沖縄探検・その2
6月
初めての沖縄探検・その3
7月
初めての沖縄探検・その4
8月
ダリの運動会・その1
9月
ダリの運動会・その2
10月
ダリの運動会・その3
11月
ダリ2歳のプロフィール
12月
ダリ3回目の秋に

ダリの運動会・その1

〜2003年8月〜
ジャック・ラッセル・テリアが良い子でいるためには、
とにかく疲れさせること!
初めての沖縄旅行からもあえなく3日で復活してしまった
わが家の愛犬、ダリのため私が目論んだのは…
初めての競技会に参加することだった。
運動会にエントリー!

 「最近、ダリは退屈で死にそうよ」。ある日母がこう言った。
 両親との暮らしは、生活のリズムも安定しているし、留守番も少なく、愛情をひとりじめにできるわけで、たいていの犬にとっては幸せな環境のはずだ。しかも週に1回は、私や妹が短時間ながら思いきり遊びの相手をして、適度に刺激も運動も提供している。が、しかし、比較的おっとり(ジャックにしては、である念のため!)と育ったダリにとってさえ、やっぱりそれだけでは退屈らしい。ジャックには、何か新しい経験や冒険、大騒ぎできるイベントが、定期的に必要なのである。
 そこで、「沖縄旅行作戦」に引き続き、またぞろ「ダリ疲労作戦」を思案していた私の頭に、あるイベントが浮かんだ。それは、折しもこの春、催されることになっていたジャック・ラッセル限定の競技会…いわばジャックの大運動会である。
 そもそもダリがわが家に来たのは、この大会がきっかけだった。2年前の大会で、父がダリの母犬を見初めたのが縁だったのだ。因縁…いやゆかりあるこの大会に出かけて、母子の再会を果たすのもいいじゃないか…と、さっそく主催のクラブに問い合わせてみた。
 すると、ダリの父犬オーナーでもあるこのクラブの会長さんから「ダリくん、何にも出場しないんですか?」とのお誘い。そ、そうか! 見学だけでなく、競技に出場するというテもあったか! ダリのようなズブの初心犬でも「大丈夫!」との暖かい励ましに気を良くしたのもあって、急きょ出場を決意してしまった。
 で、どの競技に出るかというと、まずメインイベントの『ラッセルレース』(いわば犬の徒競走)は外せない。そして『レトリーブ』(取って来い)コンテストも初心者向けとのことだったが…、ダリの場合、何かを取りに「行く」まではいいとして、「来い」がかなり怪しい。「取って来い」が「取って行ってそのまま何処へか…」になる恐れが濃厚なのだ。ならば、いっそ全く未知の体験をさせようと、大胆にも『ゴーン・トゥ・グラウンド』なるトンネルもぐり競技にエントリーしたのである。

ダリ、マブタの母に会う

 開催予定は5月18日の日曜日。東京西部の緑豊かな相模湖のほとりにある、広々とした総合グラウンドが会場だ。この時期、例年になく雨模様だったので、天気だけが心配だった。同行予定のカメラマンT氏からも「雨天の場合はどうなるの?」と問われて、パンフレットを確認すると…なんと黒々とした文字で「雨天決行」と…! う〜ん、お見それしました。ジャックおよびジャック・ラッセル愛好者(『ラッセラー』と呼ぶらしい)が、たかが雨くらいでひるむわけはないのだった。五月雨だろうが土砂降りだろうが、お楽しみは絶対あきらめないのが、不屈のテリア精神なのである。
 そしていよいよ当日。空は鉛色だが、幸い雨は降っていない。今回は、ダリの雨よけのためもあり、キャリーケースにカートを付けて早朝の特急電車に乗り込んだ。駅からタクシーに乗り継いで約10分、開会予定時間の15分前には着いたつもりだったのだが、グラウンドでは、すでに大量のジャックとその飼い主たちがそこここに陣取っている。みんなボックスカーやミニバンで乗り付け、思い思いにテントを張ったり椅子やテーブルを並べたりと、準備万端。電車でフラ〜ッとやってきた我々とは、意気込みが違う。それも、車のナンバーを見ると関西や九州からという参加者も少なくないのだ。私もさっそく濡れた草地にビニールシートとブランケットを敷き、キャリーケースの扉を開けた。
 飛び出したダリは、大人数&大犬数の迫力に圧倒されつつも、あっちへキョロキョロ、こっちでピョンピョン。興奮するのも無理はない。2年前の大会では、まだ母犬のお腹に宿ってさえもいなかったダリにとって、一度にこんなにたくさんの仲間を見るのは生まれて初めてのことなのだ。
 で、その母犬みらいちゃんはというと…いたいた! ダリとそっくりの…いやダリの方がママ似なのだが…ラフコートは、会場広しといえど、ただ1頭のみ。オーナーと挨拶を交わし、さっそく母子を近づけてみると、お互いにシッポを振って、うれしそうに、そして穏やかにご挨拶しているではないか。
 ところで、この日、会場では、「むやみに犬同士を近づけてドッグファイト(ケンカ)にならないように」という注意がしばしばアナウンスされていた。ジャックというのは本来、犬同士の死闘も辞さない不屈のファイターなので、不用意に犬同士を近づけるのは危険だというのだ。実際、確かに、グラウンド中に溢れる楽しげな吠え声や人声に混じって、時おり「ギャルルル」「ガルッ」という剣呑な怒声も聞こえてくるのである。
 しかし、みらいママと息子ダリの挨拶は、危険どころか、じつに和やかな雰囲気だった。生後7週間ほどで母の元を巣立って以来1年と8カ月ぶりの再会で、どれだけ互いを認知できるものなのかはわからない。「母上、お久しぶり〜」「息子や、元気だったかい?」と言っているのかいないのかは定かでないが、少なくとも、やさしく鼻を寄せ合うその姿は、お互いの匂いや姿に親しみを感じているに違いない。マブタ…いや犬の場合、ヤコブソン器官(鼻の奥のフェロモンを嗅ぎとる器官)の母とでもいうか…。

さぁ開会だ!

 懐かしいママとの再会を果たし、再び会場を見渡すと、グラウンド中央に設置された『ラッセル・レース』のコースで、早くも練習が始まっているではないか。いくら「初心犬なのだから勝ち負けよりも初参加に意義がある」とはいっても、ダリにもちょっとは練習もさせてやらなくちゃ。そう考えて、さっそく順番待ちに加わったのだが…この練習の模様は、次号で詳しく述べることとしよう。
 そうこうするうちに、いよいよ開会の時間。日本全国から集結した総勢80頭あまりの大ジャック・ラッセル軍団(とその家族)を前に、クラブの会長さんが開会を開会を宣言する。
「2年に一度、クラブ最大のイベントを始めます!」。
 不穏な空気を秘めた灰色の雲の下、いよいよジャックだらけの大運動会の幕が切って落とされたのである。