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はじめての
テリアブル・
ライフ
1月
そしてジャック・ラッセルにたどりついたのだの巻
2月
ひとりで飛行機に乗ってきたのだの巻
3月
超高速パピー、
ダリ号発進!の巻
4月
危険なまでにフレンドリーの巻
5月
あっぱれ!脱出王の巻
6月
日々是学習!?ダリの幼稚園ライフの巻
7月
ブリブリ・テリアになっちゃった!の巻
8月
目を離したがウンのツキの巻
9月
フーリガン・プチあらわる!の巻
10月
この世は巨大なスタジアムの巻
11月
オトナになんかなるもんか!の巻
12月
あなたも冒険してみます?の巻

フーリガン・プチあらわる!の巻

〜2002年9月〜
いつの間にやらダリも生後9カ月。
まだまだ目が離せないとはいうものの、
抱っこでもキャリーバッグ搭乗でも、流血なしにできるようになってきた。
しかし2002年の初夏、かの大イベントを迎え、
私たちはまたひとつ、ダリの大いなるジャック・ラッセルぶりを
思い知らされることに…。
 生後6カ月を過ぎた頃から、ダリはかなり犬らしくなってきた。もう抱っこしても血が出ない(人間の手から)。オスワリ、フセに加えてマテだって5秒くらいはできるし、なんと床の上で静かにくつろぐ姿さえ見かけるようになってきたのだ。
 とはいえ、ダリのくつろぎタイムは、実際は、次のイタズラの機会に備えてのスタンバイ状態に過ぎないわけで、誰かが何かを落とした瞬間、スイッチが入る。たとえば、あるとき父がいつも食後に飲んでいる錠剤のひと粒を落としたのだが、父が「あっ」という声を上げた瞬間には、もう食卓の下を白茶の影が横切っていた。直径5@ほどの小さな物体が70Bの高さから着地する、その0・5秒ほどの刹那に、寝転んだ姿勢から最高速度に達し、1・5Eの距離を瞬間移動したのである、ダリは。
 「落とものはダリの口を探せ」。それがわが家の常識になっていた。幸い、このとき横目使いで得意げにほくそ笑む(妹いわく「悪魔の笑い」)ダリの口に消えたのは、単なる健胃薬だったため、ただでさえ丈夫なダリの胃袋がさらに好調となるくらいで済んだのだが…。
 

退屈は敵だ!

 ダリがなぜこれほどまで落とし物拾得に熱心かというと、それはもちろん、家族みんながあわて騒ぐからだ。いつでもどんな騒ぎでも巻き込まれたい…というか巻き起こしたい。ジャック・ラッセル・テリアはお祭り犬なのである。だから、退屈は大キライ。ちょっと静かにしている時間が長いと、「こりゃいかん、今日の分のノルマ(何のノルマかは誰も知らない)が果たせないゾ」と反省するらしい。庭の小枝が揺れただの、隣家のサッシが閉まっただのと、なんでもかんでも難くせをつけて吠えたてる。
 そうなのだ。ジャック・ラッセル・テリアの悪行リストには、咬む、ぶん捕る、壊すなどのほかにもうひとつ、「吠える」という項目もあったのだ。
 吠えるといっても、べつに何かに怯えたり警戒してのことじゃない。神経質とは無縁のダリのことである。それはただ騒ぐための騒ぎ。のべつまくなしのムダ吠えでもなく、ただ「ここはいっちょ吠えたい気分」のときに、理由を見つけて騒ぐのだ。
 その理由のひとつが、父のクシャミである。父のクシャミは窓ガラスが震えるほどの大音量なのだが、これがダリには絶好のチャンスとなる。父が、「ハァックションッ!」とやるたびに、ダリも負けじと「ワワワワワンワンワンワワンワン」とくる。クシャミひとつに10倍パワーアップされたこだまが返ってくるわけだ。
 さらに、父はテレビ、とくに野球中継観戦中、巷のお父さんも例にもれず、「おぉっ!」とか「このバカッ!」とか、われを忘れて激を飛ばす。それもかなりの大声とくるから、ダリが黙っているはずもなく、またまた「ワワワワワンワンワンワワンワンッ」。たまらず父がさらなる大声で「うるさいっ」と怒鳴る(しつけの常識に反して)。さすがのダリもその剣幕に押されてしばし黙るのだが、また大声が上がるとワワワワンワン…。それがこの頃のわが家の夜のだんらん風景となっていた。
 

イングランド犬の血が騒ぐ

 で、折しもワールド・カップである。日本中がジャック・ラッセル化したといっていいこの時期に、ダリ(と父)が黙っているはずもなかった。
 もともと、ダリはテレビに反応するタイプで、犬や動物の声だけでなく、映像によっては画面に文字どおりかぶりついて鑑賞する。この頃、とくにお気に入りは、イチロー選手が腹筋運動をくり返す証券会社のCMで、画面に現われたり消えたりするイチローの動きが面白いらしく、このCMが流れると、歓声か怒声かを上げながら、ブラウン管に突撃したものだった。
 だから、画面のサッカーボールだって追わずにはいられない。中田選手の足元なんかがアップになろうものなら、画面の前に立ちはだかってしまう。そして、日本中が叫んだ鈴木と稲本のゴールに至っては…!
 さすがサッカー熱狂国イングランド生まれのジャック・ラッセルである。もともと壊し屋なのだから、それが大騒ぎすれば立派なフーリガンなのである。2階の自室から電話してきた妹は、「見なくてもパパとダリの声で試合の様子がわかる」といっていた。そして彼女いわく、会社から帰ってくると50E先からでもダリの声が聞こえるという。そのうるささは、「まるで5匹ぐらいいるみたい」だったとか。
 ワールド・カップが終わってはや3カ月。直後は虚無感におちいる人も多かったというが、わが家では、父もダリもワールド・カップ症候群などどこ吹く風。勝てない阪神やら勝ち過ぎる巨人やらに、今夜も雄叫びを上げているのだった。